七輪の燃料の種類とその特徴|練炭、白炭、黒炭、オガ炭、石炭

七輪の燃料の種類とその特徴

練炭、白炭、黒炭、オガ炭、石炭

七輪のみならず、アウトドア等で調理する際に必要不可欠な燃料。
その燃料には色々と種類があり、それぞれに特徴があります。

 

白炭

白炭は、七輪の燃料としては代表的な種類の1つです。
白炭と聞いてもピンとこないかもしれませんが、木炭の表面が白っぽいものがそれです。
生産工程で灰をかけて消火するので、木炭の表面に灰が付着しているので白っぽく見えますが、実は灰を落とせば実際は黒色をしています。

 

 

白炭の特徴は、無煙無臭なところで、室内での利用に向いています。
炭全体が燃えて熱を出し、赤外線量が多く長時間安定して燃焼するので、焼き物の調理に利用されることが多いです。
そんな白炭の代表格と言えば、有名な「備長炭」。
紀州(紀伊半島)、土佐(四国)、日向(九州)をはじめ、東北等でも作られています。
細かい規定はありますが、基本的に、カシの木を原木とした木炭を備長炭と呼んでいます。

 

黒炭

七輪に使われる木炭燃料の中で、白炭と共によく使われる代表的な種類の1つとして「黒炭」があります。
値段が手頃で手に入りやすいこともあり、代表的な燃料として知られています。

 

ただ、物によって良し悪しの差が大きいので、選ぶ時には注意が必要です。
国産の商品で、できれば生産者名のある商品を選びましょう。
輸入品の粗悪な黒炭は安価ですが、煙が出やすいのと強い臭気があって、室内では使用できないので屋外用となっている場合があります。
黒炭には樹脂成分が残留しているため着火時に臭気があるため、室内で使いたい場合は黒炭ではなく白炭を選ぶのが無難です。
仮に室内で黒炭を使用する場合でも、風通しの良い屋外で火を起してから持ち込むようにしましょう。
黒炭の原料の木材は、日本ではクヌギ、ナラ、カシ、が主ですが、サクラ、イタヤ、コナラ、ツバキ、サカキ、クリ等、色々な広葉樹を原木として日本各地で作られています。
輸入品は、主にマングローブ等の南洋材が使用されています。
国産の価格が高い黒炭ほど質が良いため、臭気が気になる方は良い炭を選ぶようにしましょう。

 

オガ炭

七輪の燃料として使用できる物は、木炭類だけではありません。
オガクズを圧縮成型したもので「オガ炭」という燃料もあります。
オガ炭の種類によって、オガクズの樹種や生産方法が異なるので特徴はそれぞれ違います。

 

 

今まで廃棄されていたオガクズを再利用して大量生産するので、価格が安価で形状も均一、品質も安定しているので使いやすいです。
大量生産が可能なので、業務用として七輪を使った炭火焼き肉店等で90%以上使用されており、圧倒的なシェアを誇ります。

 

オガ炭の特徴としては、備長炭のように炭全体が一気に真っ赤になることはありません。
七輪の中で黒炭のようにゆっくり着火するので、完全に着火するまでは赤外線の量が少ないです。
オガ炭の難点は着火しにくい為、火が起きるまで手間と時間がかかってしまうことです。

 

ちなみにオガ炭にも白炭と黒炭の種類があります。
ほとんどのオガ炭は黒炭で作られていますが、燃焼温度を高くして白炭化させたものもあります。
黒炭のオガ炭と比べると、白炭のオガ炭の方が着火しやすく、煙も臭気も少ないという特徴があります。

 

練炭

石炭の粉を主原料として、レンコンのような形に成形したものを「練炭」といい、燃料として昭和40年頃から一般家庭で普及していました。
火力が強く、8時間程の燃焼時間があり経済的で、暖房や煮炊き物の燃料として、ガスコンロ等と併用されていました。

 

通常練炭は、七輪とは別の「練炭コンロ」や「練炭七輪」等の燃焼器で使用されます。
これは、木炭等と性質が違うので、専用の燃焼器が必要だからです。
練炭をそのまま七輪の燃料として使用することはできませんが、燃焼を補助する役割として、練炭でできた色々な燃料があるので紹介します。

 

 

まず、豆炭(まめたん)と言われる石炭を主原料とした角の無い4角い固形状の形をした燃料と、炭団(たどん)と言われる木炭の粉を団子状の形にした燃料、チャコールブリックと呼ばれる木炭の粉を主原料とした練炭を蝋を染込ませた紙でブロック状に包む形状の燃料等があります。
あくまでも、補助燃料としての役割になるので、使用の際は換気しながら注意して使いましょう。

 

石炭

黒煙を上げ、独特な臭気を放ちながら進む蒸気機関車や、ストーブ等で馴染み深い燃料の石炭。
その強烈な臭気と炎の大きさから、炭火焼きには不向きとされています。
燃焼を進めた後は、木炭等の代用として七輪に使えないことは無いですが、火にかける鍋はススで真っ黒になります。

 

現在は、主に火力発電所の燃料として使われていて、高性能な炉で燃焼させる為煙も臭気も出る事はありません。
石炭の燃焼によって大量に排出される灰の処分方法が難しい為、現在でもリサイクル処理等の研究がされています。
1500度程度まで高温になって七輪が痛むため、使用するのは難しいですが代用品程度に考えれば使えないことはありません。
ただ、使用する際は上記に挙げた点を踏まえて使用しないと、七輪をダメにしたり、火にかける鍋等をススで真っ黒にしたりしてしまうので、気を付けてください。
石炭をは主に、鋳造、鍛冶、陶芸等で使われている燃料ということを念頭に置いて、あくまで代替的に使用しましょう。

 

木質系燃料

焼き物を七輪で調理する際に適している木質系の燃料。
種類は、薪、割り竹、成形薪、カールチップ等があります。
薪は火力があり長時間燃えるので煮炊き物に向いていますが、煙・スス・臭気・炎が炭と比べると多く出ます。
割り竹も火力が強く、煮炊き物の他にも備長炭の着火用として使えます。
竹をよく乾燥させておけば着火もしやすく良い燃料になりますが、割らずにそのまま火にかけると破裂するので、必ず割ってから使いましょう。
成形薪は、木粉を圧縮して成形した燃料で、一般的にはかまど用の燃料として販売されています。
着火しやすく扱いが簡単なので、煮炊き物専用として使用します。
カールチップは、米のモミガラをリサイクルした燃料で、モミガラを圧縮成型したものになります。
どの木質系燃料も、アウトドアでの調理用に使いやすい燃料です。

 

木質系の燃料は、形状が一般的な炭より長い物が多いので、七輪もその形状にあったものを使用しなければいけません。
1番適した七輪は、「かまど型」と呼ばれるタイプで、薪等の木質系燃料をくべるのに便利な投入口があります。

 

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