七輪の種類とその特徴を分かりやすくご紹介!切り出し、練り、金属等
昔から、庶民の生活の一部として存在する七輪は、その形状から頑丈で長持ちするイメージがあると思います。
七輪の歴史は非常に長く、独特の素材で作ることで長持ちして、とても頑丈だといわれています。
しかし、全ての七輪が頑丈で長持ちするという訳ではありません。
素材&作り方
切り出し
七輪自体の素材は独特なもので、珪藻土(けいそうど)と言われる素材を切り出して作られる七輪が上部で長持ちする切り出しタイプになります。
珪藻土とは、藻類の一種である珪藻の殻が、1200万年もの前の植物性プランクトンの死骸が化石になり蓄積された堆積岩で、ダイアトマイトとも呼ばれます。
その珪藻土を削って七輪の形に成形し、窯で焼きあげて作られる七輪は頑丈で、しかも重量が軽く断熱性があるので、内側が
とても頑丈でありながら、重量が軽く、断熱性もあります。
内側が高温になっても、外側は軍手で触れることができます。
高温でも、外側は軍手等で触ることができるので、火が入っていても移動することが可能です。
さらに、珪藻土は加熱することで赤外線を出す特性を持つので、普通に料理するのと違い、肉や魚料理がとても味わい深くなります。
頑丈なので、外部からの衝撃等がなければ、何度使っても壊れることはなく、取扱いに気を付ければ非常に長持ちするのも特徴です。
また、高温にも耐えうるほどの強く、何度も調理に使っても、壊れたりすることもありません。
また、練りのタイプに比べて、水に強いのも特徴です。
練り
七輪の種類には、珪藻土をそのまま切り出して七輪にする「切り出しタイプ」と、同じ珪藻土が素材ですが、珪藻土を粉砕し練ることで七輪をにする「練りタイプ」があります。
練りタイプは一度粉砕してから形成するので、切り出しタイプ程の丈夫さはありませんが、機械で型に流し込んで作れるため、コストパフォーマンスに優れています。
そのため焼肉屋さんやホームセンター等に出回っている七輪の多くはこの練りタイプになります。
露天掘りと呼ばれる方法で採掘された珪藻土を細かく粉砕し、土練機と言う機械で1度練り、また細かくします。
それから型に流し込み、乾燥させて完成です。
切り出し七輪程丈夫ではありませんが、練り七輪には型に流し込めば大量生産しやすいというメリットと、型を作れば形はかなり自由に作れるというメリットがあります。
切り出し七輪では作れない形の七輪を作ることができるのが、練り七輪の最大の特徴といえます。
金属
珪藻土で作られた従来のタイプが普及している中、最近ではアウトドア用として活躍する金属タイプの七輪も登場してきています。
金属で作られているので、練りタイプのような脆さはなく、少々乱暴に扱っても大きなダメージになるようなことはありません。
また、水にも強く、雨に濡れても湿気がひどいような場所でも、影響を受けることが少ないので、アウトドア等の屋外利用に向いています。
アウトドアで使っていて、急に雨が降ってきても全く心配がないということですね。
もう1つの特徴として、七輪自体がほぼ金属でできているので、珪藻土でできている七輪と比べると、だいぶ軽い作りになっています。
金属製なので、珪藻土の七輪より熱を伝えやすく、取扱いに注意しないといけない点はありますが、最近では技術が進み、断熱効果のある素材で熱伝導を抑える構造になっている金属製の七輪も流通しています。
金属はすぐに熱くなって心配かもしれませんが、外側が2重の構造になっているなど断熱タイプも多く存在します。
断熱加工や取手を付けて使いやすくするなど、加工がしやすいのも特徴です。
金属製は自由度が高い材質のため、これからも便利な七輪が生まれていくでしょう。
珪藻土の七輪と違って保温性や遠赤外線などに関しては物足りないかもしれませんが、気軽にアウトドアで使うならすぐに冷えたほうが片付けやすいという利点があったりもします。
形状
長角七輪
七輪はその形状によっても活躍するシーンが変わります。
まず長角七輪は長方形の形状で、焼き面が広く焼き物に向いています。
サンマ等の魚類を、切り分けることなくそのまま焼くことができますし、焼き鳥等の串ものも、並べて一気に焼くことが出来ます。
串ものでいえば、串を持つ部分を七輪の端から出して調理することで、手を使って食材にまんべんなく火を通すようにひっくり返すことができるので便利です。
焼き鳥屋さんやウナギの蒲焼をするお店で見かけることが多い七輪です。
小さい長角七輪なら大丈夫ですが、大きい長角七輪になると空気口よりも網の方から入ってくる空気が多いので、火力調整が難しくなります。
大きい長角七輪では、炭の量と網の高さでも火力調整するようにしましょう。
長角七輪は大人数でのバーベキューやアウトドアに向いているで、みんなで風情のある焼き物が楽しめます。
正方形の七輪
七輪は丸い形をしているのがスタンダードですが、四角い形の七輪も出回っています。
四角い形のタイプは、見た目もすっきりしていて、収納しやすく置き場所に困りません。
四角いタイプと丸いタイプどちらが使いやすいかは、七輪をどう使うかで変わってきます。
四角い七輪だと、焼き鳥の串を並べたり、魚を一匹丸ごと焼いたりするのに、使いやすいので「焼きに強い七輪」といえます。
バーベキューの金属コンロで焼く感覚で、大人数で楽しむこともできます。
大きいタイプなら真ん中に仕切りがついていて、強い火と弱い火で使い分けることもできます。
片方は弱火でじっくり焼く料理、片方は強火で焼肉、なんて使い方ができてパーティも盛り上がりますね。
大きめの魚をまるごと焼けるサイズにすれば、仲間とボートで魚釣りをして、捕ってきた魚をそのまま七輪で焼くのもいいですね。
浜辺で新鮮で贅沢な時間が過ごせます。
四角い七輪には「長方形」と「正方形」がありますが、正方形は丸形七輪と似た使い方になります。
また正方形タイプは値段が高くなりがちなので、実用性というよりどちらかというと七輪愛好家用と言えます。
朝顔七輪
焼きだけじゃなく、炊飯や煮炊きにも使えるのが「朝顔七輪」。
丸い形のタイプで、昔から使われているスタンダードな七輪になります。
高さがある七輪を「朝顔」、朝顔よりも低い七輪を「ひまわり」と呼んだりしています。
空気口の開閉部分がサビて壊れやすい欠点がありましたが、最近ではサビに強く、建物の屋根等にも使われるガルバリウムと言われる鋼板の金具に材質を変えて、より長持ちするようになりました。
火力の調整がしやすく、炊飯や煮炊きに向いている七輪ですが、炊飯や煮炊き以外にも、焼き物等オールマイティな使い方が可能なのが特徴です。
素人にとって難しい火おこしも、朝顔七輪の形状によって発揮される煙突効果で比較的簡単に出来るようになっているので、炭火料理に初挑戦する人にもおすすめ。
七輪の大きさによって、火にかけられる鍋の大きさも変わるので、使い道を決めてから購入するといいでしょう。
大きいタイプだと直径30cmを超える七輪もあるので、一味違ったご飯や煮物を味わう時に試すのもいいですね。
安価な七輪
珪藻土を使っていない、ホームセンターでよく売られている1,000円くらいの安価な七輪もあります。
このタイプの七輪は、珪藻土の練りタイプに非常によく似ていますが、実は砂や砂利などを練って作られています。
形だけみると同じような七輪に見えますが、実際に触ってみるとコンクリートで作られたような手触りがします。
また、このタイプの七輪は日本製が少なく、外国製のものが多いです。
コンクリートの塊のような感じなので、見た目以上に重量があるのが難点です。
しかしながら初めて使うのでしたら、こういった安価なものを一度買ってみて、七輪の自体の使いごこちを試してみるのもいいでしょう。
実際使ってみて、七輪自体の使い心地を気に入ったら、ちゃんとした珪藻土の七輪を入手すればよいのです。